大好きだから私はあなたを忘れた
平和な

幼馴染の君

平和だな、と思う。

この世の中。

命の危機なんてそうそうないし、好きなことを好きなだけできる。

私の好きなことと言えば、アニメを見ることだとか、おいしいものを食べることだとか。

これが平和じゃなくて、なにが平和っていうんだろう、と思う。


私は今、結構上機嫌。

なんでかって言ったら、それは一択。

好きな人と席が隣になったから!

その好きな人は、保育園の頃からの幼馴染で、それなりに親しくはしていた。

私は今、堀川学園中等部ニ年生。

中学受験をしたせいで、大半の友達と離れたけど、唯一、保育園の時からずっと一緒だった人。


こうやって恋ができるのも、平和の証。

命の危機がせまっているのに、恋なんてできるはずない。

できたとしても、結末は苦しいものになってただろう。


こんな平和な世界をつくってくれてありがとうと、誰かに感謝する。

その誰かは、神様なのか、現実的に平和を守ってくれてる警察とかなのかはわからない。

でも、全部に感謝したい。


前までは、なにもかもがうまくいかなくて、みんな最低だ、なんてわけもわからないこと考えていたけど。

こんな、好きな人と席が隣になっただけで浮かれるなんて馬鹿みたいだと自分でも重々理解している。

でも、それくらい嬉しいんだよ。
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