大好きだから私はあなたを忘れた
……それ、よりも。

今、直面している問題。

「……玲衣は、大丈夫なんですか?」

私の声は、震えていた。

「……命に、別状はないんだけど……」

命に別状はない、という言葉に少しホッとしつつも。

だけど?だけど、なに?

手とか、足とか骨折でもした?

もうもとの生活には戻れないとか?

『だけど』というたった三文字の言葉から、だんだんいやな想像が膨らんでいく。

優里さんから発せられた言葉で、私の頭がじんじん痛む。

「重度の怪我を……」

重度の怪我。

重度って、どれくらい?

治るの?歩けるの?

「治るのに、半年以上かかるって」

半年。

そう簡単に治るものじゃない。

声も出なかった。

優里さんの数々の言葉が、全部信じられない。

私のせいだ。

私が、私が……余計なことしたから、玲衣は交通事故に……

「でも、玲衣の様子がおかしいらしくて……。検査もして、またわかったら病院とか病室とか全部伝えるからね。病院、結構大きいところで遠いから、私も今向かっているところなの」

「……わかりました。電話ありがとうございます」

「うん、切るね。瑠奈ちゃんまたね」

最後の方は、優里さんも私も、涙声だった。

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