大好きだから私はあなたを忘れた
『玲衣が事故にあっちゃって』

文字を素早く打って返すと、すぐに既読がついた。

玲衣のことは、こんな一言で表せることじゃない。

だけど、全部説明したら読むのが大変だし、なにより私がまた暗い気持ちになってしまう。

『平松さん?そっか、仲良いもんね』 

これも、仲良いの一言で片付けられると複雑な気持ちになる。

『うん』

私はそう返すことしかできなかった。

『瑠奈まで事故にあわないでね、気を付けてよ!』

私が事故にあって、玲衣が治るんだったら、別に痛くも痒くもない。

そうならないかな、と本気で願った。


私はいいから、玲衣をもとの玲衣に戻してほしい。





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