大好きだから私はあなたを忘れた
ケーキ
幸せ。
今私は、最高に幸せ。
「……何回も聞いたって。どんだけ言うの」
ここは瑠奈の家で、今日は部活もないし午前中で終わりだったから遊んでいる。
瑠奈がこれで何度目?というように、呆れたように返事をされる。
最初はいつも通りのテンション絶頂の返事だったけど、徐々に反応が薄くなっていった。
そんなことをひとつも気にせずにるんるんでいた。
でもさ、と瑠奈が続ける。
「玲衣がこんなに幸せそうな顔してるの、初めてかもね」
「そんな幸せそうな顔してる?」
「めえーっちゃしてるね。眩しくって見れない」
瑠奈がわざとらしく目を細めた。
遡ること二日前。
実は、蓮馬と素晴らしい出来事があった。
前の時のワークを、蓮馬が全部写し終えたら、なんとなく一緒に帰るような流れになって駅前まで行ったら、イベントが行われていて、イベントの人に誘われてそのまま会場に。
人混みに呑まれて一方にしか動けなく、仕方なく回ってみた。
そしたら意外と楽しくて、蓮馬と二人で食べ歩きなんかもした。
時間が過ぎるのはあっという間で、そこからもずっと一緒に帰った。
幸せすぎた。
幸せすぎな時間だった。