たまさか猫日和
おサル男
「年末はどちらかお出かけですか?」
「箱根にマンションがあるの。毎年そこでゆっくりするだけ」
「じゃあ、箱根駅伝も見られます?」
「それは観戦に行くのよ〜。沿道から応援するの。夫が早稲田だから」
「最高ですねぇ!」
「寒いわよぉ〜?」
まったく嫌味でも自慢でもない。うちの顧客にとっては、これが普通なのだ。
「お待たせしました。お会計が、こちら28万6千円になります」
「じゃあ、これで」
「はい。一括でよろしいですか?」
「ええ」
今年は暖冬の予報が出ていたが、12月に入った途端に極寒となり、高額なコートやセーター類が入荷するそばから売れてゆく。
以前のグエントリン・アンは、冬物衣料に弱く、冬でもここまでの売上はなかった。日本企画になったおかげで、季節に合った商品を提供できるようになり、それがこの好調な売上に繋がっている。
海星とは、もう二週間連絡を取っていない。今までもこういうことはザラで、特にこの時期は私が仕事に忙殺されているの知っているはずだから、No reasonに行かないのも言い訳が立つ。
海星とああいうことになってから、何だか自分の街が自分の街でなくなったような、居場所がなくなったような、そういう気持ちになった。
ボーナスの使い道も思いつかず、ネット検索しては尻切れトンボで終わる毎日。疲れてるせいもあって、猫たちのご飯もネットで購入している。
明日は久々の休みだ。寝てるだけで終わりそうだけど、猫たちが私を待っている。正確に言うと、ご飯だけどね。
「箱根にマンションがあるの。毎年そこでゆっくりするだけ」
「じゃあ、箱根駅伝も見られます?」
「それは観戦に行くのよ〜。沿道から応援するの。夫が早稲田だから」
「最高ですねぇ!」
「寒いわよぉ〜?」
まったく嫌味でも自慢でもない。うちの顧客にとっては、これが普通なのだ。
「お待たせしました。お会計が、こちら28万6千円になります」
「じゃあ、これで」
「はい。一括でよろしいですか?」
「ええ」
今年は暖冬の予報が出ていたが、12月に入った途端に極寒となり、高額なコートやセーター類が入荷するそばから売れてゆく。
以前のグエントリン・アンは、冬物衣料に弱く、冬でもここまでの売上はなかった。日本企画になったおかげで、季節に合った商品を提供できるようになり、それがこの好調な売上に繋がっている。
海星とは、もう二週間連絡を取っていない。今までもこういうことはザラで、特にこの時期は私が仕事に忙殺されているの知っているはずだから、No reasonに行かないのも言い訳が立つ。
海星とああいうことになってから、何だか自分の街が自分の街でなくなったような、居場所がなくなったような、そういう気持ちになった。
ボーナスの使い道も思いつかず、ネット検索しては尻切れトンボで終わる毎日。疲れてるせいもあって、猫たちのご飯もネットで購入している。
明日は久々の休みだ。寝てるだけで終わりそうだけど、猫たちが私を待っている。正確に言うと、ご飯だけどね。