たまさか猫日和
誘われたのは確かだが、付いてきて仕事の邪魔をしているのも事実なので、昼ご飯を奢ることにした。駐車場のある定食屋に着くと、何でも好きなものを頼んで良いと言った。
「いや、無理ッスよ。俺、けっこう大食いなんで」
「いいですよ。面白い話も聞かせてもらったし、ボーナスの使い道も考えつかなくて、ほぼ手つかずなんです」
「そうなんすか、それはもったいないですね。じゃあ、スミマセン。頼みます」
「はい、どーぞ」
「すみませーん。焼肉定食屋大盛りで、味噌ラーメン全部乗せ大盛りと餃子四枚ください」
本当にすごいな…
みんなチラチラと、こちらを見ている。
私は焼きうどんでいいや。じゃないと、たぶんテーブルに乗りきらない。
十分後、案の定凄まじい量の食事が来た。
四人がけのテーブルでギリギリだ。
「そんなんで、よく痩せていられますね?」
「酒飲まないんすよ。むちゃくちゃ弱いんで」
そういう問題か?
でも片桐さんの手を見て驚いた。
大きくて、指が長い!
「なんか、やけに手が綺麗じゃないですか?」
「そうすか?俺、楽器やってるんで」
「ああ、それで」
「来てくださいよ。クリスマスライブやるんす」
「へぇ。ジャンルは?」
「ジャングル?」
「ジャンルです」
「じゃんる…あっどういう種類のってことですか?」
それ以外に、なにがあるというのか。
「ジャズです」
「ジャズ!?」
「はい。トランペッターです」
猿顔にラッパ持たせたら、それはもう…
ズゾッ!ズゾゾゾゾゾゾッ!と、掃除機のように麺が吸い込まれてゆく。
なるほど、肺活量ちがう。
片桐さんが私の視線に気がついた。
「トランペットじゃ変すか?」
「ううん、お似合いです」
「よく言われます」
でしょうね。
「いや、無理ッスよ。俺、けっこう大食いなんで」
「いいですよ。面白い話も聞かせてもらったし、ボーナスの使い道も考えつかなくて、ほぼ手つかずなんです」
「そうなんすか、それはもったいないですね。じゃあ、スミマセン。頼みます」
「はい、どーぞ」
「すみませーん。焼肉定食屋大盛りで、味噌ラーメン全部乗せ大盛りと餃子四枚ください」
本当にすごいな…
みんなチラチラと、こちらを見ている。
私は焼きうどんでいいや。じゃないと、たぶんテーブルに乗りきらない。
十分後、案の定凄まじい量の食事が来た。
四人がけのテーブルでギリギリだ。
「そんなんで、よく痩せていられますね?」
「酒飲まないんすよ。むちゃくちゃ弱いんで」
そういう問題か?
でも片桐さんの手を見て驚いた。
大きくて、指が長い!
「なんか、やけに手が綺麗じゃないですか?」
「そうすか?俺、楽器やってるんで」
「ああ、それで」
「来てくださいよ。クリスマスライブやるんす」
「へぇ。ジャンルは?」
「ジャングル?」
「ジャンルです」
「じゃんる…あっどういう種類のってことですか?」
それ以外に、なにがあるというのか。
「ジャズです」
「ジャズ!?」
「はい。トランペッターです」
猿顔にラッパ持たせたら、それはもう…
ズゾッ!ズゾゾゾゾゾゾッ!と、掃除機のように麺が吸い込まれてゆく。
なるほど、肺活量ちがう。
片桐さんが私の視線に気がついた。
「トランペットじゃ変すか?」
「ううん、お似合いです」
「よく言われます」
でしょうね。