たまさか猫日和
「キスしていい?」

ささやくような声にうなずいた。
何から何まで、順序が逆だけどこんなものかもしれない。
幼なじみを超えるには、それしかなかったのかもしれない。

海星の熱が自分にも侵食してきて、体中の細胞が目覚めてゆく気がする。

ーーーそれでも猫を見つけたら、

ふいに、夢の中で見た自分の姿が目の奥に浮かんだ。

ーーー家に帰ろう。

ソファに横たわり、激しい抱擁に答えた。

クリスマスは、終わった。
両親が帰ってくる。
叔母さんたちにも報告しなきゃ。

そして、あっという間に広まっちゃうんだ。

あの二人は、幼なじみ。
でも、今は恋人だよって。
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