シロツメクサの優しい約束〜いつか君を迎えに行くよ〜
そんなことを考えながら店を探して歩いていたが、予期していなかった光景が目に入り、思わず足を止めた。近くに築山がいることも忘れて、声がもれる。
「あ……」
「どうかした?」
「な、なんでもない」
築山の怪訝そうな声に、私は我に返った。慌ててふいっと目線を逸らし、再び歩き出す。見たくはなかったものを見てしまったかのように、胸が重たい鼓動を打ちつける。
なぜなら、女の子と腕を組んで歩く見知った顔を見つけてしまったからだ。そしてそれは、征司だった。
女の子は征司の腕にぶら下がるように、ぴったりと身を寄せて、甘えるような目で征司を見上げていた。征司もまたそんな彼女に優しい顔を向けて、ふと気づいたようにその髪を耳にかけてあげているのが見えた。
あんな雰囲気の二人が、友達であるはずがない。征司には付き合ってる子がいたんだ――。
途端に、胸がきゅうっと締め付けられたように苦しくなった。
なによ、これ。どうしてこんな気持ちになるのよ……。
自分の中の感情と目にしてしまった光景とを認めたくなくて、私は唇を噛んだ。
「みちえちゃん?」
いつの間にか、築山が私の顔を覗き込んでいた。
私ははっとして目を伏せると、征司たちがいる方向とは逆に足を向けた。
そんな私の隣を歩きながら、築山が言う。とても優しく聞こえる声で。
「なんだか泣きたいような顔してるよ。大丈夫?」
「いったいどんな顔よ」
私は築山からぷいっと顔を背けた。
「そうだな。しいて言うなら、失恋したとでもいうような顔かな?」
「あ……」
「どうかした?」
「な、なんでもない」
築山の怪訝そうな声に、私は我に返った。慌ててふいっと目線を逸らし、再び歩き出す。見たくはなかったものを見てしまったかのように、胸が重たい鼓動を打ちつける。
なぜなら、女の子と腕を組んで歩く見知った顔を見つけてしまったからだ。そしてそれは、征司だった。
女の子は征司の腕にぶら下がるように、ぴったりと身を寄せて、甘えるような目で征司を見上げていた。征司もまたそんな彼女に優しい顔を向けて、ふと気づいたようにその髪を耳にかけてあげているのが見えた。
あんな雰囲気の二人が、友達であるはずがない。征司には付き合ってる子がいたんだ――。
途端に、胸がきゅうっと締め付けられたように苦しくなった。
なによ、これ。どうしてこんな気持ちになるのよ……。
自分の中の感情と目にしてしまった光景とを認めたくなくて、私は唇を噛んだ。
「みちえちゃん?」
いつの間にか、築山が私の顔を覗き込んでいた。
私ははっとして目を伏せると、征司たちがいる方向とは逆に足を向けた。
そんな私の隣を歩きながら、築山が言う。とても優しく聞こえる声で。
「なんだか泣きたいような顔してるよ。大丈夫?」
「いったいどんな顔よ」
私は築山からぷいっと顔を背けた。
「そうだな。しいて言うなら、失恋したとでもいうような顔かな?」