シロツメクサの優しい約束〜いつか君を迎えに行くよ〜
征司が私に気がついて軽く手を挙げた。
私はごくりと唾を飲み込むと、砂利を踏みながら彼の前まで近づいて行った。
足を止めた私に、征司がおもむろに口を開いた。
「なんだかすごく久しぶりだよね。今日は来てくれてありがとう」
「うぅん。ところで、あのね」
私は目を伏せながら、後ろ手に持っていた箱を征司の前に差し出した。
「これ、ごめんね。受け取れない」
征司は一瞬顔を歪ませたけれど、すぐににこっと笑って私の手を押し戻した。
「彼氏がいるのに迷惑かなとは思ったんだけど、もし邪魔じゃないんなら受け取ってくれない?誕生日だったでしょ?プレゼントのつもりで買ったんだ」
征司はそこで言葉を切り、自分の足元に目を落とす。それから意を決したように顔を上げると、私を真っすぐに見た。
「――今日は呼び出してごめんね。少しだけ、話を聞いてほしい。ずっと言いたいと思っていたことがあるんだ」
ある予感があった。どうして今になって、と恨めしい気持ちになりそうだったが、私はそれを押し殺して小さく頷いた。
「聞くだけなら――」
すると征司はすうっと大きく息を吸ってから、ゆっくりと言った。
「俺、みちえちゃんのことがずっと好きだったんだ」
征司は懐かしそうな目で私を見て、話を続けた。
「小学生の時は、よく一緒に帰ったよね。シロツメクサの冠作って、俺の頭に乗せてくれたよね。みちえちゃんが転校していってからも、ずっと好きだった。返事をもらえるなんて思っていなかったから、手紙をもらった時はそれこそ飛び上がりそうになるくらい嬉しかったんだ」
私はごくりと唾を飲み込むと、砂利を踏みながら彼の前まで近づいて行った。
足を止めた私に、征司がおもむろに口を開いた。
「なんだかすごく久しぶりだよね。今日は来てくれてありがとう」
「うぅん。ところで、あのね」
私は目を伏せながら、後ろ手に持っていた箱を征司の前に差し出した。
「これ、ごめんね。受け取れない」
征司は一瞬顔を歪ませたけれど、すぐににこっと笑って私の手を押し戻した。
「彼氏がいるのに迷惑かなとは思ったんだけど、もし邪魔じゃないんなら受け取ってくれない?誕生日だったでしょ?プレゼントのつもりで買ったんだ」
征司はそこで言葉を切り、自分の足元に目を落とす。それから意を決したように顔を上げると、私を真っすぐに見た。
「――今日は呼び出してごめんね。少しだけ、話を聞いてほしい。ずっと言いたいと思っていたことがあるんだ」
ある予感があった。どうして今になって、と恨めしい気持ちになりそうだったが、私はそれを押し殺して小さく頷いた。
「聞くだけなら――」
すると征司はすうっと大きく息を吸ってから、ゆっくりと言った。
「俺、みちえちゃんのことがずっと好きだったんだ」
征司は懐かしそうな目で私を見て、話を続けた。
「小学生の時は、よく一緒に帰ったよね。シロツメクサの冠作って、俺の頭に乗せてくれたよね。みちえちゃんが転校していってからも、ずっと好きだった。返事をもらえるなんて思っていなかったから、手紙をもらった時はそれこそ飛び上がりそうになるくらい嬉しかったんだ」