シロツメクサの優しい約束〜いつか君を迎えに行くよ〜
征司は言葉を切ると、少しだけ寂しそうに笑った。
「だけど、それもだんだんとなくなっていった時、何か嫌われるようなことを書いてしまったのかな、って哀しく思った。でもね、六年生の時の年賀状にみちえちゃんが書いていた、今度塾に行くんだってひと言と、ある時の手紙に書いてあった将来の夢っていうのを思い出した」
「え?」
首を傾げる私に、征司はにっこりした。
「覚えてない?もし、みちえちゃんがその夢を今もまだ叶えたいって思っているとしたら、この辺りだとこの学校が第一志望なのかな、って思ったんだ。だから俺、勉強を頑張ったんだ。俺の頭じゃ、合格できるかどうか可能性は半々だったけど、もしかしたらみちえちゃんと同じ高校に通えるかもしれないって思って、ここを受験した。もしもこれで会えないんなら、きっと縁がないんだから、もう諦めようと思ってた」
思わず私は言葉を挟んだ。
「会えるかどうかも分からないのに?」
征司はそれには頷かず、微笑みを浮かべた。
「だけど、また会えたよ。これは運命なんだ、なんて、そんな青臭いことを言うつもりじゃないよ。ただね、考えてた。もしも再会できたら、自分の言葉で直接みちえちゃんに伝えたかった。好きだった、っていう気持ちを。もうそれで終わりにしようと思ってた。それなのに、高校生になったみちえちゃんを見たら、また好きになった。それだけじゃない、今度は欲が出てしまった。みちえちゃんと付き合いたい、って思った。だけど、俺が笑いかけても、いつもみちえちゃんは困った顔をしていた。だから今度こそ、嫌がられてるんだと思った」
「だけど、それもだんだんとなくなっていった時、何か嫌われるようなことを書いてしまったのかな、って哀しく思った。でもね、六年生の時の年賀状にみちえちゃんが書いていた、今度塾に行くんだってひと言と、ある時の手紙に書いてあった将来の夢っていうのを思い出した」
「え?」
首を傾げる私に、征司はにっこりした。
「覚えてない?もし、みちえちゃんがその夢を今もまだ叶えたいって思っているとしたら、この辺りだとこの学校が第一志望なのかな、って思ったんだ。だから俺、勉強を頑張ったんだ。俺の頭じゃ、合格できるかどうか可能性は半々だったけど、もしかしたらみちえちゃんと同じ高校に通えるかもしれないって思って、ここを受験した。もしもこれで会えないんなら、きっと縁がないんだから、もう諦めようと思ってた」
思わず私は言葉を挟んだ。
「会えるかどうかも分からないのに?」
征司はそれには頷かず、微笑みを浮かべた。
「だけど、また会えたよ。これは運命なんだ、なんて、そんな青臭いことを言うつもりじゃないよ。ただね、考えてた。もしも再会できたら、自分の言葉で直接みちえちゃんに伝えたかった。好きだった、っていう気持ちを。もうそれで終わりにしようと思ってた。それなのに、高校生になったみちえちゃんを見たら、また好きになった。それだけじゃない、今度は欲が出てしまった。みちえちゃんと付き合いたい、って思った。だけど、俺が笑いかけても、いつもみちえちゃんは困った顔をしていた。だから今度こそ、嫌がられてるんだと思った」