シロツメクサの優しい約束〜いつか君を迎えに行くよ〜

受け入れて、受け止めて

征司が一人暮らしをするマンションの一室。

あの後どちらから言い出したわけでもなく、私たちは征司の部屋に向かった。

エレベーターに乗り、互いの息遣いしか感じられない沈黙の中、私たちはただ手を繋ぎ合っていた。

征司は私を玄関に招き入れると、後ろ手でドアをロックした。

「みちえちゃん、本当に、いいの?」

今ここにこうしている意味を、私も征司も分かっていた。

私はおずおずと、征司の腕に手を伸ばした。

「うん。私を好きだったこと、好きなことを証明してほしい」

「みちえちゃん……」

征司が私の手をそっと握る。

「ただ、私ね、上手に応えられるか分からない。もしかしたら、できないかもしれない……」

以前の元カレとのことを思い出して、私は征司から目を逸らした。

征司は私の髪を撫でながら言う。

「俺もね、ごめん、上手にできるか分からないけど、君のすべてを愛したい。ずっと君のことを想ってたんだ。今までの俺の気持ちを受け止めてほしい」

私は小さく頷いた。

「うん」

「好きだよ」

そう言うと征司は私を抱き上げ、ベッドまで運んで座らせると、窓際のカーテンを閉めた。隣に腰を下ろして私をそっと抱き締め、耳元で囁いた。

「優しくするつもりだけど、それでももし、嫌だと思ったら遠慮しないで俺を止めてほしい。みちえちゃんを傷つけるつもりはないからね」

「うん……」

私はぎゅっと胸の前で手を組み、征司を見上げた。

そんな私を安心させるように、征司はそっと口づけた。唇を離して訊ねる。

「恐くない?大丈夫?」

征司は私が頷くのを確かめると、私の唇をやんわりとこじ開けながら口づけし、ゆっくりと舌を絡めた。
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