雨の日は貴方を想い出します
しばらく図書室で過ごし、そろそろ帰ろうと図書室を後にした。

外は暗くなりかけていた。

薄暗い廊下を歩いて、靴を履き替えようとしたとき、「津島さん?」と拓也くんに声をかけられた。

「杵築くん?」と私が言うと、

「な、一人?俺とかえんね?」と拓也くんは言う。

「えっ、でも。」と私が言うと、

「ちょっと付き合って欲しいとこあって、送ってくし、ダメかな?」と上目遣いで言われた。

そんなこと言われたら、断れるはずもなく、私は頷いた。

そしたら、よしっと拓也くんはガッツポーズしていた。

私たちは歩き出した。

拓也くんと並んで歩くのはちょっと緊張しちゃう。

どこに行くのかと思ったら、私もよく行ってる、私立図書館だった。

「杵築くん?ここ、図書館よね?私もよく来るんだけど」と私が言うと、

照れたように、話してくれた。

借りたい本があるんだと。

拓也くんが選んだのは、古い一冊の古書だった。

拓也くんはその本についての魅力を語った後、

「俺ね、夢があってね」と拓也くんは夢の話しをしてくれた。

「津島さんは、夢あるの?」と聞かれた。

「私は小説書きたいかなって思ってる。いつか、自分の作品作りたいなって」と私が言うと

「良いね。お互い夢かなうと良いね」と拓也くんは笑ってくれた。

「ね、私、杵築くんのこと名前で呼んで良い?」と私が言うと、

「もちろんだよ。俺も名前で呼ぶね」と拓也くんは返してくれた。

そして私たちは顔を見合わせて笑った。

「な、葵?」と照れながら言う拓也くんはなんか可愛かった。

「LINEのID教えてくんね?」と拓也くんに言われて、私たちは交換した

「改めてよろしくね!」と私は笑った。

その後、私は拓也くんに送って貰って家に帰った。

晩御飯を食べながら、今日の出来事を話しして。

そして、私は自分の部屋に戻ると、拓也くんとLINEをたくさんした。

楽しくて、中々終われなくて、気づいたら寝落ちしてた。
< 3 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop