雨の日は貴方を想い出します
翌日、

私は準備して、家を出た。

途中で、りっちゃんと合流する。

りっちゃんの彼氏は朝練があるらしく、いつも朝は一緒じゃないので、私と一緒に登校していた。

「昨日はごめんね!」と謝るりっちゃんに

「大丈夫だよ。てか、逆にそれで、良かったんだ。良いことがあったの」と私は嬉しくて、拓也くんとのことを話した。

「やったじゃん!」と何故か、りっちゃんは喜んでくれた。

私たちはそのまま他愛なく会話して、靴箱のところでバイバイした。

そして、教室に入った。

「おはよ」と爽やかな笑顔をむけてくる拓也くんにドキッとしながら、「おはよう」と私は返して、

自分の席に着いた。

授業中、時々視線を感じた。

拓也くんが私の方を見ているらしかった。

目が合うと、目線をそらされた。

拓也くんと一緒に過ごすことも多くなった。

一緒に帰ったり、帰りに2人で寄り道したり。

雨の日は何故か相合い傘で帰るのが定番化しつつある。

休みの日には2人でお出かけして、色んなアートに触れたり、映画見たりと楽しんだ。

そんなある日の放課後、拓也くんはクラスの男子に絡まれていた。

「なあ、最近、お前、津島と一緒にいるよな?もしかしてつきあってんの?」と一人が言う。

「あんな陰キャとよく付き合えるよな」と別の男子が言った。

事実だし、悔しくて、悲しくて私はその場を離れようとした。

けど、離れられなかった。

「は?お前らにそんなこと言われる筋合いないんだけど?葵は確かにアクティブな方じゃねえけど、お前らみたいに、人のこと悪く言わねえし、感受性豊だしな?強い信念と夢をもってて俺は格好いいと思ってる。時に優しくて、友達想いで、たまに見せる女の色気がたまんねえ」と拓也くんは言うのだった。

私は思わず、照れてしまった。

「なんだ、お前がベタ惚れなのかよ」と男子が言うと

「わりぃかよ、てか、俺の彼女のこと悪く言うの、許さねぇから。いじめたりもするなよ?」と拓也くんは言ってくれた。

それを聞いた男子たちは、バツ悪そうに去って行った。

それを見送って、私は、教室に入った。

「あの、拓也くん、今のは、、」と私が言うと、

今度は顔を真っ赤にした拓也くんが

「聞いてたのか?」と言ってきた。

頷く私、私たちは無言でうつむいた。

少しして、口を先に開いたのは拓也くんだった

「改めて、俺、葵が好きだ。俺の彼女になって欲しい」と言われて、

私はよろしくお願いしますと頭を下げた。

「いつから、私のこと、、」と私が聞くと、

拓也くんは少し遠くを見ながら話し出した。
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