年上男性にてのひらの上で転がされて困っています
 そう言って千葉は入り口近くに置いてある予約の紙を眺めた。

 名前と人数が掛かれている紙。

 消されているのは順番が来た人たちだろう。

 まだ呼ばれていないのは……

 予約表を確認して千葉は照永の元へ戻る。

「9組待ちでした、結構ですね」

 苦笑いをするしかない。

「やめよ、やめよう」

 照永は即座に判断してこの道沿いを歩いて飲食店が無いか探すことにした。

 これで3つ目の昼食失敗だ。

 その後、待ち時間の少なそうな喫茶店を見つける。

「ここにしようか」

 千葉は知らない店に入るのは緊張するタイプだが、照永は気にしないタイプのようだ。

「えっと、そうですね、ここにしましょうか」

 中に入ると、満席とまでは行かないが、しっかり繁盛しているようだった。

 少しの間だけ待ち時間があったが多少の時間、別段問題は無かった。

 メニュー表をもらって2人で覗き込む。
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