年上男性にてのひらの上で転がされて困っています
 千葉は『じゃぁその前にお手洗いに行ってきていいですか』と確認を取ってトイレへ向かう。

 戻ってくると今度は照永がトイレへ。

 千葉はスマホを触るでもなくのんびり椅子に座って待っていた。

「じゃあ行きますよ」

 トイレから戻ってきた照永が千葉に声を掛ける。

 千葉は横に置いてあったカバンの中から財布を取り出そうとしたところで、

「会計はもう済ませてるから、行こう」

 と照永が足早に出口へと歩いていく。

「え? そうなんですか? じゃあ1500円、1600円? あ、えっと、後で払います」

 置いて行かれないようにと千葉もカバンを持って外へ出た。

 駐車場まで戻り、車の外でタバコを吸う。

「温泉に入ってからアイス食べに行こうかと思ってたけど、先にアイスでもいい?」

「いいですよ」

 ほぼノープランだった千葉は照永の動きに合わせることに決めた。

「まだ食べられる?」

「アイスくらいなら大丈夫です」

 そう笑顔で返す。
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