年上男性にてのひらの上で転がされて困っています
 敷地が広い分駐車場ももちろん広いのだが、それでも空きスペースを見つけることが出来ない。

「あ、そこの角停めちゃってもいいんじゃないですかね」

「角? ここですか?」

「そうそう、ここに」

「ここなら邪魔にはならなそうなので……停めちゃいますか」

 2人で悪戯っぽく笑って白線ラインの無い、邪魔にならない場所に停めさせてもらうことにした。

「スマホの情報って正しいんだな」

 先ほど確認していた『混んでいます』の文字のことを言っているのだろう。

「正しかったですね、混んでます」

「ていうか、俺ここ来たことあるな」

「何か思い出しました?」

「思い出すっていうか、この外観、見覚えがある」

「子供の頃ですかね?」

「わかんないですけど」

 そんな話をしながらジェラート売り場のある建物へと移動していく。

 入り口から数人はみ出すように人が並んでいる。
< 124 / 304 >

この作品をシェア

pagetop