年上男性にてのひらの上で転がされて困っています


 建物の中へと人の列は続いていて、覗き込むと店員がいくつものジェラートを作っているのが見えた。

 最後列に付くと、入り口入ってすぐの場所にタッチパネルの券売機があるのが見えた。

「今ってあれで注文するんですね、昔と変わってる、進化してる」

 覗き込む千葉に照永が話しかける。

「どうやって注文するの?」

「昔はこの列に並んで先まで行って『これください』って注文してましたけど、多分この機械で発券してこの先の店員さんに渡すんだと思いますよ。ジェラートか、ソフトクリームか」

「ソフトクリームあるの?」

「そこの看板にメニュー書いてます、夏季限定って書いてますけど……」

「夏季か……じゃあ無いかもしれないってことか」

 千葉は先ほどの券売機を覗き込んだ。

「あ、券売機にソフトクリームって選択肢がありますよ、きっと大丈夫です」

「よしよし、ソフトクリームにします。でもジェラート頼んでる人多そうだな」

「まぁ、ジェラートが人気のお店ですからね」
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