年上男性にてのひらの上で転がされて困っています
「じっくり選んでいいですからね、僕はソフトクリームなので」

 そう言って笑う照永。

 『じっくり選ぶって言っても、後ろに沢山待っている人いるからな』

 悩みつつも自分の好きな抹茶を選んだ。

 店員へシングルの券を渡し、『抹茶で、コーンで』と伝える。

 すぐさまジェラートの形が整えられ、コーンに乗せられ、そして手元へ。

 そのまま先へ進むと中庭に出られ、邪魔にならない場所を選んで食べ始めた。

「うま! ソフトクリームうま」

 素直に喜ぶ照永を見て、微笑ましく思う千葉。

 千葉は照永のように素直に表現できなかったが、大好きな抹茶を堪能していた。

「あの辺にある小屋とか、昔と変わらないけど、中にいるのも変わらないのかな」

「小屋?」

「そうです、うさぎとか居たんですよ」

 2人ともアイスを食べ終わり、敷地内を覗いて回ることにした。
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