年上男性にてのひらの上で転がされて困っています
 敷地内の探索も終え、トイレ休憩も済まし車へ戻る。

 車の外でタバコを吸う2人。

「そういえば、いつだったかマニュアル車の運転したいとかって言ってましたよね? します?」

 いつだったかの記憶を思い出し千葉は照永に確認してみた。

「うん。ていうか、帰りはオレが運転しようと思ってたんだよね」

「え、運転してくれるんですか? 帰り道全部?」

「そう、その予定でいたんだよね」

「えっと、じゃあクラッチ失敗して『ガクンガクン!』ってならなかったらお願いします」

 動きも交えて千葉は笑いながら言った。

「ガクンガクンはやりそうなんだよな」

 そう苦笑いする照永。

 笑いながらも千葉は内心、『最初はエンストするだろうな』と想像していた。

 タバコも吸い終わり、ドリンクホルダーに置いてある飲み物を運転席と助手席とで入れ替え、千葉が助手席、照永が運転席へと座る。

「久しぶりだな」

 そう言ってキーを鍵穴に差し込む。
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