年上男性にてのひらの上で転がされて困っています
 そのうち何台か対向車も現れ、緊張がほぐれない。

「あれ? 大丈夫?」

 照永の言葉に、自分がしばらく喋っていないことに気付いた。

「えへへ、あの、大丈夫です、はい、大丈夫です」

 『この道に慣れている人が運転しているんだから、事故なんて起こらないよ、大丈夫』

「ここ、この道。ここをねスピードを落とさずに油断して進むと……ビュ~~~ン……って、事故るやつがいるんだよね」

「ちょっとちょっと、やめてくださいよ、今ちょっと心臓きゅーってなりましたよ」

「あはは、大丈夫大丈夫、この道が危ないのは知ってるからそんな無茶な運転はしないから。それにこの車で事故なんか起こしたらさ」

「そうですよ、事故ったら大変ですよ」

「大変どころか身の破滅だよ。ちゃんと安全運転で来てますから」

 そう言って余裕を見せるかのように軽く笑う照永。
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