年上男性にてのひらの上で転がされて困っています
 何個目かの信号を通り過ぎたところで、

「ふりだし」

 と照永が言った。

「あ、照永さんと行ったコンビニ!」

「そう」

 照永は車のスピードを緩めてコンビニの駐車場に車を停めた。

「はい、ふりだしに戻りました」

「ほんとだ、ふりだしだー」

「じゃあここで運転交代」

 そう言って照永はエンジンを切り、自分の飲み物を持って車から降りた。

 同じように千葉も自分の物を運転席側に移動して助手席から降りる。

 運転席側に2人並びタバコを吸う。

「疲れた?」

 照永の質問に『運転の事ですか?』と返事をする千葉。

「いや、全体的に」

「疲れてないですよ、大丈夫です」

 睡眠時間4時間が引っかかっていたが、眠気に襲われることもなく楽しく過ごすことが出来た。

 照永の家の都合もあるのだろうから仕方がないが、もう少し長く出掛けていたかったくらいだ。
< 138 / 304 >

この作品をシェア

pagetop