年上男性にてのひらの上で転がされて困っています
「楽しみですね」

「楽しみだねー」

 彼女と二人でイベントに参加するのはこれが初めてではない。

 何度か彼女から誘いを受け、いつも千葉が参加すると返事をする。

 イベントの情報を知らないこともあるが、お金がかかってしまうためなかなか千葉から誘いの話を持ち掛けることはない。

 その都度常に金欠の自分を恨むのだが、給料が少ないのだから抗いようがない。

 それでも連絡をくれるこの友人は誰にでも優しく、楽しいを見つける天才だと千葉は思っている。

 1人でどこにも出かけることなく引きこもりのような生活をしていた千葉にとっては救世主のような存在だ。

 そんな彼女とイベントに向かうのはいつも楽しみでいる。

「もう今回何を着ようか全然考えてなくて」

 そう言って彼女は笑う。

「結局レムちゃん用意しました。千葉さんのアラレちゃん、すっごい楽しみです」

 にこにこと満面の笑顔の友人。
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