年上男性にてのひらの上で転がされて困っています
「でもちょっと……」

 千葉は悩みながら話始める。

「ほんと、何考えてるのかさっぱり分からなくて」

「まあそうだな」

「あれかな、あれなのかな」

 そう言ってずっと1人で考えていたことを口にする。

「あの、そのね? ほら、てのひらの上で転がされてると言うか……」

「ないないない!」

 そう言って先生は大きく笑った。

「絶対何も考えてないって、そういうのじゃないでしょ」

「違うかなぁ」

「違うと思うよー? あれだ、聞いてみればいいじゃん」

「何を?」

「『銭湯に行ったり、一緒に出掛けたりして、あなたは私のことをどう思ってるんですか?』って」

「いやちょそれは! そんな直球!?」

 今日一番の大声を出した千葉。

「なに、聞けばいいしょ」

「いやいやいやいやいや、そんなこと、そんなことをね聞く勇気がね、私にはないです!」

 戸惑いを隠さずに千葉は正直に言った。
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