年上男性にてのひらの上で転がされて困っています

「勇気がないって」

　笑いながら先生は言う。

「な、ないですよ」

「根性なしだな」

　そう言って豪快に笑う先生は楽しそうだ。

「根性なしってかい、無理だよ、無理だって」

　千葉も笑う。

「しょうがないな～」

　そう言いながら先生は何か思案している。

「あれは？　もうすぐそこの公園で祭りがあるだろ」

「お祭り？」

　『この時期に？』と千葉は首を傾げた。

「知らない？　毎年やってるやつ。そこの大成公園祭り。もうすぐだったはずだよ、一緒に行きませんかって誘えばいいじゃん」

「ここの裏手の公園？」

「違う違う、向こうの……業務スーパーわかる？　あそこから歩いて少しの所の」

「あ～……」

　何か公園っぽい物を見かけたことがある気がすると千葉は記憶を探る。

「そこでやってるよ、歩いていけるしょ？」

「確かに頑張れば歩ける距離ではありますね」