年上男性にてのひらの上で転がされて困っています
　千葉は期待するのをやめ、職場へ向かった。

　------

　「おはようございますー」

　千葉は元気に挨拶した。

　「おはようございます」

　周りから挨拶が返ってくる。

　照永を見ると、体をひねりこちらを一瞬確認してからの挨拶だった。




　あれ、いつもパソコンの画面を見ていたはずだけど、見てくれた。

　私が見てなかっただけで、いつもチラ見してくれてたのかな。




　そう思って少しテンションの上がる千葉。

　自席にカバンを置き、パソコンの電源を入れる。

　いつもの様にインスタントコーヒーを淹れてから自席に座る。

　パソコンの画面が立ち上がるのを待ちながら、火傷をしないように淹れたてのコーヒーを少しだけ啜った。

　その時、視界の端で誰かが動いたのが見えた。

　『あれは……照永さん？　こっちに来る？　わけないか』

　平常心を保ち、動き始めたパソコン画面を操作しようとした時、その誰かが千葉に近付いてくる。
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