年上男性にてのひらの上で転がされて困っています
「おつかれさまです」

「おつかれさまですー」

 少しの沈黙。

 照永は車を動かし、道路上を走り始めた。

「いやぁ、スーパー銭湯とか久しぶりでちょっと緊張してるんだよね」

「久しぶりなんですか?」

 そう返事をしながらも『銭湯に緊張しているのか、2人で出かけることに緊張しているのかどっちかな』なんてことを考えてしまう千葉。

「本当に久しぶりなんですよ、もう10年くらい振りかな」

「え? それは本当に久しぶりですね」

 そんな会話をして車を進めて目的地までたどり着いた。

 他愛もない会話だったと思うが、思っていたより緊張していたのかどんな会話をしていたのかあまり覚えていない。

 銭湯の近くには他の商業施設が建っているからか、駐車場の空きを探すのに少し時間がかかった。

 見つけた駐車スペースは少し狭かった。

 バック駐車するために車の位置を調整し、照永は車のギアを『R』に入れる。
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