年上男性にてのひらの上で転がされて困っています
 声もなく照永が喫煙室から出て行く。




 どうしよう、照永さんかなり体調悪そう。

 なんかいつもと違うし……。

 どうしようー、照永さんが元気ないよ……。

 何とかしてあげたいけど、何か声を掛けたところで負担をかけるだけだろうし。

 なんだか、私も元気なくなってきたな……。

 自分の事じゃないのに、心配でしょうがない。

 なんだか落ち込むなぁ。

 って、どうして照永さんが元気ないと私が落ち込むのよ。

 心配は心配だけど、こんな落ち込む必要はない気がする。

 好きなのかな。

 私、少しずつ照永さんのこと好きになってるのかな……。

 ドキドキしたりときめいたりすることは無いけど、好きなのかもな。

 それならそれでいいよ、認めるよ。

 まだはっきりとは分からないけど。




 千葉は座り込んでうなだれる。

 『元気になってほしい』の一心だった。
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