年上男性にてのひらの上で転がされて困っています
「今日は何の日か知ってますか?」

「え?」

「今日は解雇される日ですよ」

 その言葉の語気は少し強かった。

「あー……、確かにそうですね」

 5月末で一度解雇。

 6月からシステムの変わった職場へ自動入社。

 突発的な仕事の変更や、無理難題、理不尽な動きなど、様々なものを経験してきた千葉は、当初話を聞いた時は流石に困惑したが、考えてみれば『まぁ、この会社だからな、適当だからな』という諦めを持つことが出来ていた。

 しかし、入社してから1年程の照永にとっては会社に嘘をつかれていると感じているはずだ。

 何か違う雰囲気があると今日は照永に対して感じていたが、千葉は確信した。

 『怒ってたんだ』

 と。

 いつだったか、理不尽さに怒りを覚えて体調不良を理由に早退したこともあった。

 今回はその時ほどではないが、そのオーラは隠しきれていなかった。
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