年上男性にてのひらの上で転がされて困っています
 そんな状態が先月から続いているが、流石に千葉も腹が立ってくる。

 そこでまずは質問者が上司に質問し、分からなければ千葉に上司が質問し、答えが分かったら上司が質問者へ回答を伝えると言う、なんともおそまつな対応。

 最初から千葉が答えれば済む話だが、新しく変わった職場ではそれは許されないらしい。

 元々特殊な職場ではあるが、分かっていたことならばもっと早く対応策を考えて前倒しで準備してもらいたかった。

 苛立ちが止まらない。

 喫煙室に入ると照永がタバコを吸っているところだった。

「もう、さっきの話ですけど、完全に二度手間ですよね。ほんと嫌になっちゃいます」

「聞いていいです?」

「何ですか?」

「分からないことが合ったら、こっそり千葉さんに聞いていいですか?」

 千葉にとっても直接聞いてもらいすぐに処理を終わらせる方が気持ち的にも楽だった。

「こっそりならいいんじゃないですかね」

 そう言って笑った。
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