年上男性にてのひらの上で転がされて困っています
「そういえば、アルファベットが沢山プリントされたTシャツあるの思い出しました。」

「じゃぁ、そのTシャツの中にロンTきちゃえば、キャラクターのプリントなんて関係ないだろ」

「そうですね、そこそこ厚手なら夕方過ぎも寒くないし」

「とりあえず終わったら着てみな」

「はーい」

 ------

 施術が終わるとすぐにそのパーカーを羽織らせてもらった。

「ちょっと袖は長いけど、大した問題じゃないし、これなら十分あったかいですね」

「貸してあげるよ」

「いいんですか」

「いいよ、今着ることないし」

「ありがとうございます、じゃあこれ着てお祭り行ってきます」

 笑顔で会計を済ませると千葉はパーカーを大事に抱えて帰路についた。

 その日の夜、8時を回っても晩御飯を食べる食欲が千葉には無かった。




 なんだろう、緊張してるのかな。

 恋煩い? って年でもないけど。
< 260 / 304 >

この作品をシェア

pagetop