年上男性にてのひらの上で転がされて困っています
 大丈夫かな、相当体調悪いのかな。

 いろんな話をしようと思ってたけど、全部なくなっちゃった。

 いろんなことを聞こうと思ってたけど、全部聞けなくなっちゃった。

 照永さんは私のことをどう思ってるんですか。

 私、もうすぐ誕生日なんですよ。

 って、色々。

 でも、しょうがない。

 しょうがないよ。

 泣かないけど……泣きそう。




 千葉は布団の中でうずくまり、必死に悲しみを、切なさを押し殺した。

 そして、辛さから逃げるように眠りについた。

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 目を覚ました時間は午後5時頃。

 元気も食欲もない。

 喉が渇いてコップ1杯の麦茶を飲み干した。

 体が重たい。

 座椅子に座りしばらくぼーっとするが、気分が元に戻る気配は微塵も感じなかった。




 そうだ、明日の天気。

 照永さんの体調が良ければ明日お祭りに行けるかもしれないし、会えるかもしれないし、楽しめるかもしれない。
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