年上男性にてのひらの上で転がされて困っています



 そう思ってスマホを持ち出し明日の天気予報を確認する。

 6月9日、日曜日。

 ずらっと並ぶ傘マーク。

「雨じゃん!!」

 千葉はすぐに画面を消してスマホを放り投げた。




 これじゃ明日照永さんの体調が良くなったとしてもお祭りには行けないよ。

 多分、体調は良くならないだろうけど……。




 もう一度スマホを持ち出し天気予報を再度確認するが、やはり午後3時頃から傘マークがずらりと夜10時頃まで続いている。

 ページを何度更新してもその情報は変化しない。

 諦めてテーブルの上にスマホを置くと座椅子の背もたれに体を預けてぼーっとする時間が続く。

 気付けば夜8時を回っていた。

 『何か食べなきゃ……』

 近所のおばさんからおすそ分けしてもらったおかずの存在を思い出しついばむ。

 『今頃『楽しかったね』って帰り道を歩いていたんだろうな』

 そんなことを考える。
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