年上男性にてのひらの上で転がされて困っています
「何で好き好んで自分の誕生日に病院に行かないといけないんですかね」

 苦笑いしながら共感を得るように千葉は照永を見る。

「まぁ、そうですね」

 笑いながら照永は吸い終わった吸い殻を灰皿に落とし、喫煙室の扉に手を掛けた。

「まぁ、だからって何かあるわけじゃないんですけどね」

 千葉がそう言うと、ややしばらくの間の後、

「……でも嫌だよね」

 と笑いながら千葉に声を掛けて喫煙室を出て行った。




 なんか、誕生日の話したら凄い食い付いてきたんだけど……。

 どゆこと?

 興味なかったらあんな勢いで聞いてこないよね。

 え? じゃあ……。

 何か、あるのかな?

 いやいやいや、期待しちゃいけない。

 でも、土日に何か誘われたり……しないしない。

 きっと何もないよ。

 期待しないで日々を過ごそう。

 次の予定は何もないんだから。




 千葉は吸い殻を灰皿に落として喫煙室を出た。
< 271 / 304 >

この作品をシェア

pagetop