年上男性にてのひらの上で転がされて困っています

6月18日

 6月18日

 朝起きた千葉は、久しぶりにすっきりとした体の軽さを感じていた。

 仕事に行き、挨拶を交わす。

 仕事は大変だが、気持ち的な辛さはかなり少なかった。

 仕事の合間の喫煙室で照永と鉢合わせる。

「千葉さーん、明日帰り送ってもらっていい?」

 照永からそんな声が掛かった。

「明日ですか? いいですよ。問題ないですよ~」

 笑顔で返事を返す。

「やった~」

 照永は可愛げのある言い回しで喜んでいる。

「明日は買い物に行く予定も無いし、寄り道しないでまっすぐ帰りますね」

 そこへもう1人喫煙者が喫煙室に入ってきた。

 雑談の中で、

「土日は死んでたんですよ、昨日も体調悪くて。でも今日はなんか凄く体調良いんですよね」

 そんなことを千葉が話すと、

「朝元気でしたよ」

「え?」

「朝挨拶してた時、元気でした」

 照永がそう言った。

 その時千葉は気付いた。

 照永は千葉のことを面倒がって声を掛けなかったんじゃなく、疲れているからとそっとしておいてくれたのだと。
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