年上男性にてのひらの上で転がされて困っています
「何も言われなかったですよ、誕生日のことに関しては」

「なんだ、何も言わないのかよ」

「でも明日の帰り送ってくれって言われました」

「へー」

「多分、今日病院に行くの知ってるはずなので明日って言ったのか……わからないけど」

「1日遅れで何かプレゼントとか用意してるのかもよ」

「いや、無いでしょ」

 そう言って千葉は笑った。

「無難なプレゼントって何だろうな」

「消え物じゃないですか? クッキーとか、飴とか」

「やっぱり食べ物か~」

 話しながらも先生の手はてきぱきと動いている。

「ネックレスとかもらったらどうする?」

「ネックレス!? ネックレス貰ったらちょっと考えますね」

「あはは、だよな。アクセサリー貰うと『私のことどう思ってるの?』ってなるよな」

「いやでも、貰えるとは限りませんから」

「何もない可能性はあるからな」

 そう言って先生は軽く笑った。
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