年上男性にてのひらの上で転がされて困っています
 千葉はパソコンを立ち上げ記録の続きを付け始めた。

 文章を入力しながら自分の感情に整理をつけていく。

 『切ない。切ないな』

 そう思いながらも、その感情を久しぶりに感じさせてくれたのは照永だ。

 感謝の気持ちも湧いてくるぐらいだった。

 人に気を使うことも上手い、年上の男性。

 年齢よりも若く見える顔立ち。

 冗談だって言えるコミュ力もある。

 服装にも清潔感があって、かといって堅苦しさは感じさせない。

 誰かを否定することもしないし、でも自分の意見はしっかり発言する。

 重たいものを運ぼうとすると『僕がやりますよ』って声を掛けてくれるし、小さなこと、さりげないことに気付いて手助けしてくれる。

 そして、努力の人。

 感情を整理しようとすればするほど、照永の魅力的な部分が溢れてくる。

 キーボードを叩く指がはたと止まる。

 気付けば千葉の目には涙が溢れ、一筋流れて行った。
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