年上男性にてのひらの上で転がされて困っています
 そして目的のバス停へたどり着く。

 千葉は車を停車させて、照永はドアを開け車を降りる。

 ドアを閉めて空いている窓越しに『お疲れさまでしたー』と挨拶をする。

 照永はゆっくりと歩きだし、千葉は車をUターンさせて自宅へと向かう。

 運転席から見える照永はこちらを見ていたので千葉は『じゃーねー』と呟きながら手を振った。

 照永もそれに答えて何度か小さく手を振ってくれた。

 結果が出た。




 そうだね。

 整骨院の先生が最初の方に言ってた。

 私がてのひらの上で転がされてるんじゃないかって話した時に、『何も考えてないよ』って。

 最初から、仲の良い先輩と後輩で、同僚で。

 一緒にお風呂屋さんに行ったんだからもう友達だよね。

 そう、最初から照永さんは仲のいい人って、もしかしたら自惚れかもしれないけど『仲良くなりたい人』って思ってくれていただけなんだよ。
< 301 / 304 >

この作品をシェア

pagetop