年上男性にてのひらの上で転がされて困っています
 そう言いながらも自分の言葉を否定するかのように先生は続けた。

「ていうかさ、自分の方から摩周湖に一緒に行こうとか言ってたんでしょ? それなのに都合を聞いたら予定があるって?」

「いやいや、それは流石にたまたま予定が入ってたんだろうからね? しょうがないよね」

「なんか引っかかるなあ」

 施術をしながら考え込む先生。

「まぁ、ひっかかるというか、なんかよく分からないです」

「何が」

「昨日ね、仕事に行ったんですよ、有給じゃない日だったから」

「うん、それで?」

「それで……」

 千葉は昨日のことを思い出しながらゆっくりと話始める。

「聞いてみたんですよ、その人に。『暇な日はあるんですか?』って」

「うん、そしたら?」

「『暇だよ、いつも暇だよ(笑)』って」

「おいおいおいおいおい!」

 突然大きな声を出す先生。
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