年上男性にてのひらの上で転がされて困っています
「お疲れ様です」

「お疲れ様です~」

「ねえ、本当に今度どこか行こうよ、連絡先交換しよ」

 そう言って照永は手練れた手つきでスマートフォンを取り出した。

「そうですね、交換しちゃいましょうか」

 千葉はカバンの中からスマートフォンを取り出す。

「LINEがいいかな?」

「あー、私何か連絡するのは大体LINEですね」

 照永はQRコード読み取り画面を開き、千葉は自分のQRコードを表示させる。

 友達登録が済んだところで照永は話始めた。

「この間、家の風呂が落ち着かないって言ったでしょ? それでほら、新生町に銭湯あるの知ってる? あそこ行こうと思って」

「あぁ、いいですね、広いお風呂の方がくつろげそうです」

「一緒に行かない?」



 え?



「一緒にですか?」

「うん、行こうよ」

「そうですね、行きましょうか!」

「有給多くて暇だっていつも言ってるから、本当に暇でしょうがないとき、連絡ください」

「毎日暇ですよ」

 そう言って千葉は笑ったが、内心は気が気じゃなかった。
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