年上男性にてのひらの上で転がされて困っています
第2章

5月17日

 5月17日。

「おはようございますー」

 事務所のドアを開けて挨拶をすると、すでに出勤していたチームメンバーが銘々に挨拶を返してくれた。

 照永も変わらずパソコン画面を向いたまま挨拶をする。




 普段と同じ……かな?




 千葉とは席が近いわけでもない照永。

 朝の段階では千葉に対しての対応の変化は読み取れない。

 自席のパソコンの電源を入れ、インスタントコーヒーを淹れに行く。

 平常心を保ち、照永のことはなるべく気にしないように動こうと思っていた。

 千葉はこのチームのリーダーだが、最近の休み具合を考えて、主要な仕事は任せられる後輩に引継ぎをしてお願いしていた。

 その仕事がひと段落付いたようで1人の後輩が報告に来てくれた。

「在庫をリストにまとめる作業、すべての処理が終わりました。昨日終わったんですが、残り時間が少なかったので次の作業には入らず、別店舗のチラシの裁断作業してました」
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