年上男性にてのひらの上で転がされて困っています


「そうなんですね、じゃあ昨日でひと段落で、今日は朝一からする作業は決まってない、というか指示をもらっていない感じですか?」

「そうですね、今日の作業は決まっていないです」

「了解ですよー。じゃあ朝礼が終わったらすぐに確認に行くので、みなさん、少し待機でお願いします」

 そう言ってパソコン画面に向き直ろうとした時、

「あ、僕午後から外勤です。就業時間までには帰ってくるとは思いますが」

 と照永が声を発した。

 『照永さん、午後からは居ないのか。そしたら喫煙室で会話する時間、めっちゃ少ないじゃん! え、寂しいんですけど』

 という心の声をグッとこらえて返事を返そうとした時、

「俺も行きます、あと佐藤さんも」

 別の後輩からそう続いた。

 チームメンバーのほぼ半数がまとめて外へ出る予定が組まれていたらしい。

「え~? そんなに居なくなったら寂しいじゃんよ~」

 人数が減ると寂しいのは確かだが、今の言葉の8割は照永へ向けたセリフとなってしまった。
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