年上男性にてのひらの上で転がされて困っています
「じゃぁ、暇になったら連絡しますね」

 千葉はそう言って助手席から降りた。

 自分の車に乗り込んだ時に、照永の車が発進するのが見えた。



 一緒にお風呂?

 男性と女性だよね。

 まぁ、2人ともいい年だし、恥ずかしがるようなことでもないだろうけれどもさ。

 湯上りを見せるってことだよね?

 湯上りを見るってことだよね?

 そもそも2人で出かけようとか、それってデートだよね? え? 違う?

 照永さんは単純に一緒に遊ぶ人を探してるだけ?

 それとも何かしらの下心があるってこと?

 いやいや、それはだから自惚れで、自意識過剰だよ。

 じゃぁ何でお風呂に誘うの?

 車だってあるんだから、1人で行こうと思えば行けるよね。

 え、じゃぁわざわざ誘うってことはやっぱり何かしらの下心が……?




 気付いたら数十分間車の運転席で頭を抱えていた。




 考えていてもしょうがない。今日はもう帰ろう。

 今日の今日で連絡を入れるのも変な話だから、日を空けて連絡してみよう。
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