年上男性にてのひらの上で転がされて困っています


「おつかれさまですー」

 声を掛けると照永は、ちょうどタバコの煙を吐き出しているところだった。

「おつかれさまです」

 画面を見続けて疲れたのか、両の目頭を指で押さえている。




 喫煙室で一緒になったとはいえ、一緒に出掛けようとかそんな話題はしない方がいいよね。

 月曜日にはぐらかされちゃったし。

 しつこく言い寄るのも良くない。うん。




 千葉はそう思い、無難に作業内容の話を始めた。

「私、職務経歴書って書いたことないんですよね、ほら、バイトとかパートが多かったから」

「僕も無いですよ。いや、無くはないけど、だいぶ昔の話で思い出しながらやってます」

 考えてみれば今の職場も履歴書だけで職務経歴書は不要だった。

「目、疲れてます?」

「うん、結構くるねー」

 そう言って照永は再び目頭を押さえた。
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