年上男性にてのひらの上で転がされて困っています
 そのまま、外勤組は就業時間間際に戻ってきて、帰り支度。

 仕事が終わった後は必ず1本タバコを吸ってから帰るのが日課のようになっているが、千葉はもう少しで職務経歴書が切りのいい所で終わらせられそうだった。

「ん~、これだけやっちゃうか。またしばらく有給で休みだし」

 そう独り言をつぶやくと最後の処理を済ませる。

 その間に照永は喫煙室と向かっていった。




 これで、今日は午前中の会話だけでそのほかまともに話できなかったな。




 少しだけ残念に思ったが、『出かける話も無いし、ほんと、もう忘れよう、うん』と思い直して帰り支度を始めた。

 自席の机の上が落ち着いたところで電子タバコを取り出す。

 その時にはもうすでに照永は自席に戻ってきてカバンを持ち『おつかれさまです』と一言呟いて事務所の外へと歩いて行ってしまった。
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