年上男性にてのひらの上で転がされて困っています
「ニヤニヤしなくていいからさ、何、何よ、早く言いなさいよ」

 そう楽しそうに声を掛けてくる先生。

「連絡したんじゃないだろうな」

「いやいや、こっちからは何も連絡してないんですよ、待ってニヤニヤが止まらない」

 自然と笑い声が漏れる千葉。

「じゃあ何よ、さっき何よ、ほらニヤニヤしてないでさ」

 いつの間にか閉じられていたカーテンの中で上着を脱ぎ終わり、ベッドに横になった千葉は話を始める。

「今日仕事行ったんですよ、で、特に何も話さないで。ほんと普通の? 普通の雑談をして終わって、何も無かったなーって帰ってきたわけですよ」

「それで?」

「それで、そしたらさっき、ホントにさっき、ここに電話する直前」

「それはさっきだな」

「向こうから連絡来たんですよ」

「おお! なんて!?」

「申請出してた書類が承認されたって話で」

「そんで?」

「とりあえず良かったですね的なことをね、返事してですよ」
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