年上男性にてのひらの上で転がされて困っています
「そんな感じだと思う。温泉街が近いから、タイミングが合えば温泉に入って帰ってこようかみたいな話もした感じ」

「飯代奢ってくれるんだろうな」

「いやー、どうだろう。だって、同じ会社だから給料知ってるんだよ? 割り勘で終わるんじゃないかなぁ」

「車出すのこっちなんだから、飯代ぐらい出さないと割に合わないだろ」

「いやまぁそうですけど」

「出すって! 普通出すだろ。あれだぞ? ちゃんと『私払います』って素振り見せるんだぞ」

 先生は楽しそうに笑っている。

「あはは、素振りね、『ちゃんと自分の分払うからー』ってね」

「しかし2人で出かけるかー。デートじゃねーか」

「いやま、デートだけど、そういう間柄ではないからねぇ」

「間柄じゃないったって、2人で出かけるんだからデートでしょ」

「んー、まあそうなるかな」

 そんな会話を続けているうちに施術は終わり、会計と挨拶をして整骨院を後にした。
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