年上男性にてのひらの上で転がされて困っています
「おはようございますー」

「おはようございます」

「あ、荷物、大きい物とか後ろに置いて大丈夫ですよ」

 その言葉を聞いて照永は後部座席のドアを開けて荷物を置く。

 改めて助手席に座り込んだ照永は少しだけ楽しそうに千葉へ声を掛けた。

「さっきの7丁目のバス停って、千葉さんの家のバス停の次でしょ?」

「いや、次って言われても、自分の家のバス停より先までバスに乗って進んだことないから分かんないですよ」

「次だよ、次。流石に近すぎると思わなかったの? すぐじゃん」

 そう言って照永は笑った。

「だってわかんなくて、方向音痴だって言ったじゃないですか」

「それにしてもさ」

 そう言いながら笑顔を見せる照永。

 照永がシートベルトを装着するのを確認してから千葉は聞く。

「コンビニとか寄ります? 飲み物とか」

「あ、寄る。この先にあるからそこに寄ってもらえると」
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