今を生きる君とこれからも
六章・過去

あの後、ひたすら泣きまくって晴に迷惑をかけたまんま寝ていたらしい。なんとも最低な女だ。それからというものあの日から晴に会えていない。学校にも来ていないようだし、連絡も着かない。まだ体調が悪いのだろうか。それともまた病気が、、、。
やっと会えたのに。やっと、やっと分かった。あの時の事も、あの時の男の子のことも。
全部。

トゥルルルルルルルル
「っわ。」
急にスマホが震えた。
「は、晴ぅ!」
思わず声が裏返ってしまった。でもいくら何でも急すぎじゃ、、、。
恐る恐る通話画面をタップした。
「はい。もしもし。瑠夏です。」
「あ、あの。瑠夏?」
「うん。そうだよ。最近、連絡取れなかったから心配してたんだよ。それで、どうし。」
「瑠夏っ。」
「どうしたの?」
「瑠夏、今から会える?」
「今から?別に大丈夫だけど。」
「それなら良かった。大事な話がある。俺たちが初めて出会った場所でまた会おう。」
「え?なにそれ!」
ツゥーツゥー
え、晴と、初めて出会った場所?病院。でも、もうあの病院は廃病院になったはず。
じゃあ、どこなの?まあ、まず学校。クラスに行くか。

いつもの通学路を走り、いつもの電車に乗った。いつも乗っているはずなのに何故か今日は懐かしく思えた。そうだ、晴は入学式の荷物を家までもっていってくれたんだった。なんだか懐かしいな。ふと窓を見ると雨が降っていた。最近、雨多いな。あ、傘持ってない。

学校に着き、上履きに履き替えようと思ったとき、ふと晴の下駄箱を見ると、そこに靴は入ってなかった。はずれ?と思ったけど一応確認してみよう。私は走ってクラスに向かった。
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