今を生きる君とこれからも
序章・深い傷

「私さ、病気なんだって。だからもう、入院しないとだから、瑠夏ちゃんとはもう、遊べなくなるんだ。」
「え、急に言われても、な、なんで?千穂ちゃん、昨日まで一緒に遊んでたじゃん!中学生になって、勉強頑張って、西夏高校に入学して、一緒に、いい彼氏つくろうね、って。なんでよ。」
「瑠夏ちゃん、それは、瑠夏ちゃんだけが叶えられればいいんだよ。私なんかは気にしないで。きっと、瑠夏ちゃんにとって嫌な思い出になっちゃうから。」
「それでも約束したじゃん!一緒に頑張ろうって!」
「そうだね、じゃあ、瑠夏ちゃんも応援してね?私も精一杯応援するから。」
「うん!一緒に夢叶えるんだよ?絶対だからね?」
「うん!そうだね!絶対!」
―絶対―
一緒にって言うのは、必ずしも本当に会って一緒に叶えるわけじゃない。たとえ私がいなくとも、瑠夏ちゃんの思いと一緒に私の思いも届く。だって、約束したんだから。瑠夏ちゃんと、―絶対―って。

千穂が病気?なんで?そんなわけない。そんなはずがない。きっと嘘だ。嘘に違いない。だって絶対に一緒って、約束したんだから。お願いだから本当なんて言わないで。でも、現実そう簡単に願っただけで、嘘なんかになったりしない。そして。
千穂ちゃんはそれから一か月後に死んだ。
予定より、かなり耐えていたらしい。私が会った最後の千穂ちゃんだって、かなり体調が悪かったらしい。私はそれにきずいて、もっと最後の言葉にふさわしい言葉を言えていたら、
千穂ちゃんは、こんなに長く苦しまないで、私の思いと一緒に夢を叶えられていたかもしれないのに。全部私のせい?私が絶対って言っちゃったから?きっと、そうなんだよね。
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