今を生きる君とこれからも
一章・雨のち晴れ


天気予報は大体外れる。それも、よりによってこんな日に。春に中学校を卒業式をした私は、
昔からの友達の夢と一緒に、志望校へ受験した。
私は、あの日から今じゃなく、将来のこと、未来のことのために毎日勉強など頑張っている。それは、この高校に行きたくても入れなかった、入ろうを努力もできなかった友達のためのせめてもの私の償いだった。
今日は、午前中は雨で、午後からは晴れる予定だったのに今は二時。全く晴れる予感がしない。今日は、やっとこの西夏高校に入学したというのに。本当についてない。
もう、このままだったら、この新しくて可愛い制服をびしょ濡れにしてまでも、入学式にいかなくては。

その後、晴れることはなく入学式を終えた。びしょ濡れの制服で。
自分のクラスで教科書などを配布され、学校の行事などの説明をされた。
「いいか、お前たちはもう高校一年生なんだ。これから大変なこともあるだろうし、進路や将来のことなど、考えなくてはいけないことが増えてくる。それでも、諦めずに前へ進め。」
担任の内井先生は、見た目は怖そうだが、意外と生徒思いでなかなかいい先生だ。
「じゃあ、一人一人自己紹介をしてくれ。じゃあ、一番から。」
「はい!えっと、僕の名前は、朝日晴です。一年間よろしくお願いします!」
「おう、よろしくな。はい、次。」
「私の名前は―」
朝日晴。朝日が晴れている、ぴったりな名前だな。でも、こんな雨なのに「晴」か、
はあ、とため息を吐きながら私は席を立つ。
「空野瑠夏です。よろしくお願いします。」
「ねえ!君の好きな人とかいる?」
「え?あ、いや、今は特にいないです。」
いやいや、このタイミングで聞くことかよ、ここで答える人なんていないと思うんだけど。
「へー、君可愛いのに。」
「おいー、晴やめろよー、瑠夏ちゃんびびってるじゃん!」
「なんだよ、気になったんだからいいじゃん。ね?瑠夏。」
「え、わた、」
「おい、静かにしろ、はい、次の人。」
いや、マジでなんなのこの人、なんでマジでこのタイミングで、そんなことを聞けるの?

「よし、じゃあみんな自己紹介終わったな。それじゃあ説明のプリント配るぞー。ほら、後ろに回して。」
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